〜NPO法人 日本障害者アイデア協会およびラハイナーズ合同会社からの共同提言〜
SDGsの基本理念
世界的潮流となったSDGs.
その基本理念は【誰ひとり取り残さない】
しかし、その理念は、いま最も重要で必要とされている場面で形骸化しています。
形骸化しているSDGsの基本理念
コロナ禍において、マスク着用の日常が続いています。
街を歩けば、ほぼ全員がマスクを着用
しかし、呼吸機能が弱い高齢者や障害者等の中には「マスクを付けたくても付けられない」という人が多くいます。
「感染すると重症化リスクが高い」とされる高齢者や障害者が、マスクを付けることができない。
コロナ禍のマスク着用という【いま最も重要で必要とされている場面】で、高齢者や障害者は既に取り残されているのです。
現場主義に徹し、当事者の声に耳を傾ける
コロナ禍であっても、高齢者施設では多くの高齢者がマスクを付けていません。
お話を聞くと皆さん口々にこう言います。
「マスクは辛い、呼吸が苦しい」「でも、本当はマスクを付けたい」
それを聞いて私は考えました。
「そう言えばバリアフリー仕様のマスクって無いなぁ? どうしてだろう?」
「よし!無いなら作ろう!」
試行錯誤を繰り返し、バリアフリー仕様のマスクが完成しました。
呼吸機能が弱い高齢者や障害者でも、長時間無理なく装着できるマスクです(バリアフリーマスクの詳細はコチラ)。
「これなら無理なくマスクを付けられる!」お陰様でバリアフリーマスクは高齢者を中心に大好評。
いまでは多くの方々に愛用され、喜んで頂いています。「誰も取り残さないSDGsの理念」に合致した商品を作ることができました。
理念を実現するために必要なこと
バリアフリーやSDGsを含む社会福祉的な取り組みは、賛同を得やすい(批判的な反対意見を言いづらい)分野です。
誰もが「表面的な綺麗事」を言いやすい事柄であるため、現場を知らない机上の空論が横行する傾向があります。それが理念形骸化の一因です。
徹底的に現場主義を貫き、当事者の声にしっかりと耳を傾ける。
- バリアフリーであれば、高齢者や障害者の声に耳を傾ける。
- 貧困問題を解消するのであれば、貧困で苦しむ人達の声に耳を傾ける。
- 紛争被害者の救済であれば、被害者の耳に声を傾ける。
これこそが、形骸化を防止するために必要なことであり、「どれだけ現場主義を徹底し、当事者の声に耳を傾けているか」を、SDGsへの取り組み指標・基準の1つにすべきと考えます。